28/02/2017
歯というのは生きていくために最適化されているものです。
もし、歯を失いそれを放置した場合、
魚に置き換えて考えると非常に分かりやすいです。
魚は手を使えませんから、捕食する機能が口元に備わっています。
ギザギザタイプなのか、
それとも丸呑みタイプなのか。
丸呑みタイプはギザギザは必要ありませんが、
のどの奥の方に咽頭歯という嚙み砕くための歯が付いています。
人生の途中で、歯を失くし、突然丸呑みタイプに変化した場合
胃腸がものすごく発達していけばいいのですが、
ヒトの遺伝子はそこまで対応しておりません。
結果としてサバイバル力が低下し、
個体の死へと近づきます。
もし、魚の歯がむし歯になったら?
魚は何度も生え代わる歯があるのでこれは一見問題なさそうですが、
そもそもむし歯というのは生活習慣と細菌の掛け算ですから、
そのどちらかへのアプローチもしくは両者へのアプローチをしなければ
問題は繰り返されるでしょう。
一方で、ヒトの場合は1回しか生え変わりはありません。
乳歯と永久歯。
永久歯を人生にわたり永く久しく使えるための環境を整えていますか?
問題が生じてから歯科にかかる時代は終わりました。
歯(歯肉)に問題が生じてから歯科にかからざるをえない時代に生きてき
た方々は、ほとんどの方がいれ歯やインプラントを余儀なくされています。
自覚の差はあれど、客観的に咬めいないということから、
消化吸収に負担を引き起こし、
これは実際には、咬めないということが低タンパク栄養へとつながり、
胃酸(タンパク質)自体も低下し、
低タンパク栄養(高炭水化物)が血糖スパークを引き起こし、
AGEsの蓄積、血管の微小痙攣からの血管系疾患を引き起こし、
腸内細菌叢への変化を引き起こし、
筋肉の分解から代謝の低下、えんげ飲み込み機能の低下など、
寝たきり要介護へと確実に向かいます。
虚弱状態と言い、最近はフレイルという言い方になりました。
1本の歯を大事にするということは、
口の中全体を守ることだけでなく、
実は身体を守ることに繋がっているのです。
このことより、
あなたは歯に関心を持たなければならない、
これはあなた自身の人生の問題ですから、
公的なキャンペーンで6月初旬の、
1年に1週間ほどしか口に関心を持つだけではあまりにも短すぎます。
この口腔への関心を払う習慣や文化が培われていない先進国として、
まだまだ日本は遅れておりますので、
東京オリンピックが開催される前に
日本人の口臭をどうにかしようという話題も出てくるのです。
また、歯ならびについても、
未だ男の子だから歯ならびはそのままでいいということをおっしゃる親御さんがいます。
これはどういうことか?
歯ならび悪いというのは、
歯の位置異常により機能的な問題を喪失していたり、
スマイルすることにコンプレックスを持つことで社会的な自信を得る機会の喪失や幸福感の喪失、第一印象への影響に繋がっています。
生産性の低下とも言えます。
ブランドのバッグを持って海外旅行に行ったり、
ネイルはバッチリなのに、
口元は綺麗になっていない、
歯ならびがガタガタという価値観は、
他の先進国ではなかなか理解されにくいと聞きます。
さらに、歯科はコンビニより多いという表現。
これ、コンビニより多いからというのであたかも歯科の価値を下げているのような風潮が一部にあります。
残念ながら、完全に間違っています。
口腔に関心を持つ人が増えれば、
歯科は現状の数では不足し、
現状の2倍ほどのクリニック数がないとパンクします。
定期的な歯のメインテナンスに保険は使えますか?という質問。
これも根本から間違っています。
保険というのは、問題が生じてから初めて使えるものです。
ですから、あなたが何らかの歯の問題を生じたら保険は使えるというものです。
もし、何の問題もなく定期的に保険を使って歯のメインテナンスをしているとしたら、それはそのクリニックと共に不正請求に加担しているということです。
長々と書きました。
一番言いたいことは、
健康を守りたければ、体の最も上流にある歯や歯肉、
歯ならびに関心を持つことが一番最初に大事なんですよ
ということです。
The Teeth of Non-Mammalian Vertebrates by Barry Berkovitz and Peter Shellis offers a unique look at teeth, from the hardened skin rasps of the lamprey to the fangs of the rattlesnake