
26/09/2025
治る人と治らない人の違い
治療をしていると、不思議なことに「すっと治ってしまう人」と「どうしても治らない人」とに分かれることがあります。これは単に技術や治療法の差ではなく、もっと深い「心の準備状態」が影響しているようです。
治る人の特徴
治る人は、身体が自然に治癒を受け入れる準備が整っています。皮膚や神経への刺激に素直に反応が起こり、回復の方向へ進んでいきます。
治らない人の特徴
一方で治らない人は、無意識の深い部分で「治ること」そのものを拒んでいます。症状が生き方や立場と結びついていたり、治ってしまうことで失うものへの不安が隠れていたりする場合があります。
治癒拒否の現れ方
実際に、ある場面で強い身体反応が起こったことがありました。検査では異常は見られませんでしたが、背景にあったのは「治癒を受け入れたくない」という心の動きでした。これは特別な例ではなく、日常の臨床でも「治らない」と繰り返す方にしばしば見られる現象です。つまり「治らない」のではなく「治らないことを選んでいる」場合があるのです。
治療者に求められる姿勢
この視点に立てば、治療者は「症状を消す人」ではなく、「治ることを受け入れる準備を整える人」としての役割を担うことになります。拒否を力ずくで壊すのではなく、その守りを尊重しながら、本人が自然に受け入れられる時を待つ。その時間と環境をつくることが、治療者の真の仕事です。
また「治らない」という人に対しては、より強い刺激の治療を試みるのではなく、むしろ逆に、より優しい刺激の治療に切り替えていく発想をしてみると良いかもしれません。実際、治らないと言う人にほど効かせようとして、より強い刺激の治療をしがちになるものですが、そんな人にほど、むしろソフトな刺激の方が良いのかもしれません。
本当の意味での「治す」ということ
治療とは単なる症状の消去ではありません。心と体が「治る」ことを望んだ時、初めて治癒は深く作用します。治る人と治らない人の違いを「技術」ではなく「心の準備」として捉えると、治療の本質がより鮮明に浮かび上がってきます。
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