17/03/2025
「IESS(点頭てんかん)における発作再発とBASEDスコアの関係」梅田真洋ら(EPILEPSIA)
鳥取大学脳神経小児科に研修に来ていた梅田真洋先生が行った研究です。EPILEPSIAは国際抗てんかん連盟の公式雑誌でてんかん学では最も権威があります。
IESS(点頭てんかん)は乳幼児に発生するてんかんで発達に重大な影響を及ぼします。ヒプスアリスミアと呼ばれる脳波状態が脳機能を阻害すると考えられています。
しかしながらヒプスアリスミアは客観評価が難しいことが問題で、一旦治療にて発作を止められたIESSの患者さんにおいて、その後の脳波をどの程度良い(ヒプスアリスミアから遠い)状態を維持すれば、再発を防げるのか分からず、診療医を悩ませていました。
今回使用したBASEDスコアは2015年に提唱された、まだそれほど広がっていないIESSの脳波のスコアリングシステムです。IESSの脳波を0-5点で点数付けをすることが出来るようになりました。今回の研究では44人600回以上の脳波判定をしています。
研究結果から、BASEDスコアが2点以下で維持できた患者では再発が無く、また再発した患者において3点以上になる時期と発作再発時期に相関がありました。寛解後のIESSの脳波状態の管理上、本研究が初めて目安を示唆することが出来ました。
BASEDスコアを提唱したMytingerらも未だこのスコアに関する研究ではEPILEPSIAにはPublishをされておらず、梅田先生が本家を超えてくれました。
脳神経小児科では臨床研修に来た先生方に、希望があれば研究指導をしています。研究は自分の人生を切り開く道でもありますので是非ご興味ある方はお問い合わせください。もちろん通常の臨床研究だけでも大歓迎です。
A maximum BASED score of ≥3 during postremission indicates a risk for ES relapse in patients with IESS.