29/07/2025
こんにちは。東京がん検査・治療ラボラトリーの田本直弘です。
今日は、 【患者様の声】「手術はできないと言われた私が…」ある患者様が希望を取り戻すまでの記録。 というお話しをさせて頂きたいと思います。
患者様は、60代の女性。膵臓がんで、肝転移があり、原発の膵臓がんが大動脈に浸潤していたため、手術が困難でした。
また、多発肝転移が認められたことからも、手術適応ではないと考えられ、抗がん剤で治療を行うか、場合によっては緩和医療となることを宣告されていました。
患者様としては、どうにかがんを取ってほしい、がんを取ったら完治が望めるのではないかという、期待を持っていらっしゃったため、手術が難しいという宣告に絶望されていました。
セカンドオピニオンとして当院に相談に来られた時は、患者様は憔悴されており、少し自暴自棄になってしまっている感じがありました。
「医者は手術はできない、抗がん剤しかないが、それも効くか分からない。もって半年〜1年でしょうって言われました。心の準備もできていないのに。」と。
医療者としては、患者様にしっかり事実を伝え、同意を得た上で治療を選択していくことが務めです。ここからは言い訳になりますが、大学病院などの大きな病院は、患者様の数が多く、じっくりゆっくり1人1人の患者様やご家族とお話しをして差し上げる時間がないという事情もあります。
そのため、患者様としては、医療者のことをとても冷たく感じたり、投げやりに感じたりされることもあると思います。
幸い当院は自費診療のクリニックですので、1人1人の患者様とじっくりゆっくりお話しをすることが出来ます。
そこで、まずは患者様のお話を聞かせて頂き、今の思いをしっかり確認させてもらいました。その上で、一つ一つ丁寧にお話しをさせて頂きました。
まず、なぜ手術ができないのか。手術をした場合の術中死の危険性、手術後の体力低下や免疫力低下の懸念、これらを丁寧に説明させて頂くと、患者様本人も、「それなら手術しない方が私にとっていいよね。」と、納得して下さいました。
しかし、これは同時に、余命半年〜1年を受け入れるということになります。患者様としては、希望が見えない未来に納得するしかないという、大変辛い状況に置かれてしまいます。
そこで私は、できる治療として、光免疫療法を提案させて頂きました。光免疫療法は、副作用がほとんどない治療であり、患者様の体力を奪うモノではないこと、完治は望めないかもしれないが、がんと共存していくことは叶うかもしれない。
ただ、そのためには、患者様自身の自己免疫力を高めることがとても大切なので、日々笑って過ごしてほしい、好きなモノを食べてほしい、好きなことをしてほしい。ということをお願いさせて頂きました。
治療効果を上げるためには、前向きになるしかない。これはご本人さんの覚悟と、ご家族の支え、そして医療者の本気度と誠実さがとても大事になってきます。
この患者様は、旦那様の支えもあり、前を向く覚悟をし、笑顔で治療に臨まれています。前医とも良好な関係を続け、抗がん剤もうまく使っていらっしゃいます。
現在治療開始から5ヶ月くらいになりますが、腫瘍マーカーも下がっており、経過としては順調です。引き続き、希望を持って、治療を継続していきたいと思います。
お問い合わせ:tokyo.cancer@gmail.com
東京がん検査・治療ラボラトリー
田本 直弘
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こんにちは。東京がん検査・治療ラボラトリーの田本直弘と申します。今日は、 【患者様の声】「手術はできないと言われた私が…」ある患者様が希望を取り戻すまでの記録。 というお話しをさせて頂きたいと思います。....