29/12/2018
COPDの主な症状は下記の通りである。
・呼吸困難
最も特徴的な症状であり、最初は体動時にみられる。COPDの呼吸困難は、持続的で進行性
であるのが特徴的である。 初期には階段や坂道を上がる時に気づく程度であるが、呼吸機能
が悪化すると、同年代の人と同じ速さで歩けないことや、軽い体動でも呼吸困難が出現する
ようになる。
・慢性の咳
COPDの最初の症状であることが多いが、患者は喫煙や風邪のせいだと考えて軽視している
ことがある。 最初のうちは間欠的であるが、後に毎日みられるようになり、1日中持続する
こともある。一般に喀痰を伴うことが多いが、乾性咳のこともある。
・慢性の喀痰
喀痰症状を正確に評価することは難しいが、2年連続して年間3ヵ月以上、常に痰がある状態
が、慢性気管支炎の疫学的定義である。 膿性の喀痰は白血球の存在を反映しており、増悪の
徴候の可能性がある。
・喘鳴
重症や最重症のCOPD患者でみられることが多く、喘鳴が無くともCOPDを否定できない。
喘鳴が明らかな場合には、喘息との鑑別が必要になる。
・その他の症状
COPDが進行すると、体重減少や食欲不振が出現する。これらは予後に影響する因子である
が、他疾患の合併による場合もある。足首の浮腫は肺性心を疑う重要な徴候である。
COPDの身体所見:病期の進行により現れる事が多い
・視診
樽状胸郭、呼吸数の増加と口すぼめ呼吸、呼吸補助筋の肥厚(胸鎖乳突筋、斜角筋など)
吸気時の肋間や鎖骨上窩の陥入、吸気時の下部肋間の陥凹(Hoover徴候)
頸静脈の怒張、肝腫大、下腿浮腫など(右心不全や呼吸不全)
・触診・打診
心尖拍動の検出が困難、肝臓が下方へ移動(肺過膨張による)
鼓音(含気量の増加による)
横隔膜の運動範囲制限
・聴診
呼吸音の減弱、断続性や連続性のラ音、心音の最強点が移動
ℹスパイロメーター活用ポイント
COPDの診断には気流閉塞の証明が必要。したがって、スパイロメトリーによる閉塞性換気障害の検査が必要 *
スパイロメトリーとは **
最大換気量や最大換気流量の測定などを通した呼吸器系全体の換気能力にかかわる大枠の評価を行う検査。
呼吸機能の全体像を考えるうえできわめて基本的な検査であり、臨床的に最も重要な生理検査の一つ
COPDの気流閉塞(閉塞性喚気障害)の原因 *
・気道の線維化と狭窄
・肺胞破壊による肺弾性収縮力の減少
・気道周囲の肺胞破壊による気道壁の易虚脱性
・気道内の炎症細胞、粘液および浸出液の貯留
・末梢および中枢気道における平滑筋収縮
・運動時の動的肺過膨張
💊COPDの薬物療法
・薬物療法は、症状の軽減、増悪の予防、QOLや運動耐容能の改善に有用である
・薬物療法の中心は気管支拡張薬
・気管支拡張薬には抗コリン薬、β2刺激薬、メチルキサンチンがある
・多くの場合、気管支拡張効果は吸入抗コリン薬が最大で、
次いで吸入β2刺激薬、メチルキサンチンの順である。
・単剤の使用で改善が不十分な場合は多剤を併用する事により気管支拡張の上乗せ効果が得られる*
・末梢気道に作用する気管支拡張薬には、air trappingを抑制する作用があり、
それによって肺容量が減少し、症状および運動能が改善する